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障害年金請求・審査請求事例にいて

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現在、障害年金業務休止中です。

私が受任した障害年金の裁定請求と審査請求の事例について紹介しています。

裁定請求事例

膵神経内分泌腫瘍(肝転移)

女性

ご相談は家族の方からでした。恥ずかしながら私は、膵神経内分泌腫瘍がどのような病気か分かりませんでした。ですので、病気について調べる所からスタートしました。

病気について調べたところ、がんの一種であることがわかりました。ご本人と面談し、いつから身体の調子が悪いのか、初めて病院に行った日、今までの通院履歴、 日常生活で不便していること等を聴かせていただきました。

ご本人から日常生活について聴かせていただいたところ、度重なる手術と、抗がん剤治療などにより、体力がなくなり、倦怠感、発熱、歩行困難、全身の痛みなどがあり、 日常生活が困難とのことでした。

診断書の選択ですが、これは迷いました。肝転移していたので、肝疾患の障害用の診断書を選択しました。ですが膵神経内分泌腫瘍によって発生している障害を 肝疾患の診断書だけで、審査する保険者へ伝えることができるのかという疑問があり、その他の障害用の診断書も使用することにしました。

正直に言って、診断書を2枚提出したことで保険者に症状をどこまで伝えることができたか分かりません。肝疾患の診断書1枚でも同じ結果だったかもしれません。 だとすれば、診断書を1枚多く書いてもらったため、お客様の金銭的負担が増えたということになります。ただ、私の判断は少なくとも間違いではなかったと思っております。

結果としては、障害等級1級の障害基礎年金の受給が決定しました。障害年金の受給が決まり、これからの生活・治療などが、経済的・精神的に支えられることになります。

ご家族の方が、この方を心から心配しており、何とかしてあげたいという気持ちが伝わってきました。障害年金を受給できたのは、お医者様の診断書に書かれていた内容を 保険者が審査して、障害等級に該当したためですが、もし、ご家族の方が障害年金について調べなければ、請求することがなく、受給することはなかったでしょう。

相談を受けたときには、病名を聴いてもどのような病気かわからなかったので、受給が決まり、ほっとしましたし、本当に嬉しく思います。

右乳がん(多発骨転移、胃転移)

女性

相談者の方の病状は、10年位前に右胸に違和感があり、受診したところ右乳がんと診断され、治療の結果、症状は回復し経過観察となっていましたが、 3〜4年前に再発し、がんが、骨、胃に転移しホルモン療法を現在行っている状態でした。

がんの他に全身性エリテマトーデス(免疫疾患)という難病に罹患している状態でした。この病気は、免疫が正常に作動しなくなり、 自分の組織を異物として認識して攻撃してしまうことがあるという病気です。この病気を抑えるために、がんの治療の他に、ステロイド治療を行っている状態でした。 ステロイド治療を行うと免疫が抑えられ傷が治りにくくなります。

また、長年の治療による、体力の低下、筋力の低下、全身倦怠感、全身の痛みなどにより、日常生活に支障をきたしている状態で、労働は不可能な状態です。

ホルモン療法による、気分の浮き沈み、不眠症にも悩まされています。これらの症状は、治療による副作用だけではなく、 症状悪化するかもしれないという不安からもきているのではないかと思われました。

全身性エリテマトーデスについては、医師から症状が安定していると言われており、そちらの病状での診断書の取得は行いませんでした。 乳がんについて、診断書を取得して請求をしました。ただ、全身性エリテマトーデスについては、病歴・就労状況等申立書で説明しており、 乳がんの初診日を特定する際に取得することになった全身性エリテマトーデスの受診状況等証明書は添付しています。診断書にも既往症の部分への記載があります。

出来上がった診断書の内容は、3級であれば間違いなく受給決定されると考えられるが、2級に決定されるかというと微妙な状況で、受給の確率は、 認定基準を素直に読めば50%でした。この方の初診日は、国民年金期間であり、2級にならなければ支給されない状況でした。

残念ながら、障害等級に該当しないとの理由で不支給となりました。やはり、がんでの請求はハードルが高いと確認させられた案件でした。

不支給決定になりましたので、審査請求を行いました。結果、保険者から、処分変更するとの通知があり最終的には2級の障害年金受給が決定しています。

両側感音難聴

女性

娘さんからの相談でした。相談者の聴覚の状態は、両耳とも90db以上であり初診日さえ特定することが出来れば、2級の障害年金給付を受けられる状態でしたが、 本人の記憶での初診日が30年位前であり、複数の病院を受診しており、どの病院を最初に受診したかは定かではありませんでした。

数年前に障害年金の請求をしようと年金事務所の窓口に行きましたが、当時受診した病院のカルテが、保管期限を越えていたため廃棄されており、 初診日特定が難しく断念したとのことでした。

初診日を特定するために、保管してあった診察券(現在の診察券とデザインが違うもの)、各病院の受診記録(記録があった分のみ)、 補聴器の購入記録、2番目以降に受診したと思われる、病院に保管されていた診察申込書(本人がいつから、耳の聞こえが悪いか記入した書類)などを添付し、 裁定請求しました。

結果としては、初診日が特定できたため、障害厚生年金2級に決定されました。カルテは廃棄されていましたが、 初診日を特定するための合理的な資料が多くあったので、2ヶ月程度ですんなりと決定されました。

この方は、10年前に、聴覚の障害で3級の身体障害者手帳が交付されており、その時点で、障害年金を受給できたと思います。 10年前であれば、初診日の特定も多少は容易だったかもしれません。障害年金制度について、多くの方に知っていただくことが大事だと考えさせられました。

1度諦めた障害年金を受給できた一番の理由は、娘さんの存在です。娘さんが障害年金受給のために動かなければ、本来給付されるべきである、 障害年金が支給されることはありませんでした。受給が決定したことを嬉しく思います。

審査請求事例

慢性腎不全(人工透析)

男性

ご本人から、現在糖尿病により人工透析を受けているが、障害年金の裁定請求が却下されてしまったので、審査請求をしたいとのことで連絡をいただきました。 却下の理由は、初診日が確認できないという理由でした。

この方の初診日は、約30年前に有り、請求の時点で、受診した病院にカルテが残っておらず、初診日の証明となる受診状況等証明書を取得することができませんでした。 保険料の納付要件は、未納の時期はほとんどなく、どの時点をとっても納付要件は満たしていました。障害状態は、人工透析を受けているので、 障害等級は原則2級となります。

初診日さえ証明できれば、ほぼ間違いなく障害年金を受給することが可能でした。審査請求のご依頼を受任した後に、証拠書類を揃えて、審査請求書を作成しました。

約3カ月半後に、社会保険審査官から連絡がありました。内容は、「保険者から却下処分の決定を変更するとの連絡がありましたので取下書を提出して下さい。」 ということでした。

2級の障害給付が決定し安心しました。この方は、証拠書類が見つかったので、 審査請求で処分の決定が変更となりました。

右乳がん(多発骨転移、胃転移)

女性

当事務所で裁定請求をした案件で、裁定請求事例で紹介しています。右乳がんで請求しましたが、不支給決定されました。

診断書の内容は、認定基準を素直に読めば確率50%と考えられる内容でした。不支給になることは、ある程度予想できていたので、審査請求を考えて、 病歴・就労状況等申立書の作成はしてありました。 (不支給決定が予想されなくても、社労士である以上、審査請求になってしまった状態(不支給)を考えて裁定請求するのは当たり前のことですが・・・)

審査請求では、主治医の先生に、ガンの転移の状況、現在の状況、 配偶者の助けなしに日常生活をおくることができるかなどのアンケート(診断書の補足)に答えていただき、アンケートの結果を添付しました。

2級と認めていただきたいことを主張し、理由について説明しました。 理由については、障害認定基準を参考資料として添付(一部抜粋、3ページ分)し、障害認定基準の2級に該当すると考えることができる部分について主張しました。 (障害認定基準については、もちろん、審査官・保険者の手元にあるはずですが、添付しておけば、審査する方も楽かなと思い添付しました。)

審査請求にて、口頭意見を述べることができるとなっているので、こちらも審査官に申出ました。 審査請求から2ヶ月後に、保険者から、担当医に記入をお願いしたいとの書面が届きましたので、こちらをお医者様に記載していただき保険者に返送しました。

返送後、2ヶ月位(審査請求から4ヶ月半位)してから、社会保険審査官より、保険者が処分変更をし、障害基礎年金2級の決定をしたと連絡がありました。

審査請求での、処分変更の可能性が3割〜4割程度はあるだろうと予想して審査請求していましたが、 連絡があったときは、気分が楽になったというのが正直な感想です。喜びよりもほっとした感情の方が大きかったです。

一度不支給に決定されたときに、ショックで依頼人の方の体調が悪化したということも聞いておりました。 2級に認定されても良い状態だと私の中では考えていたので、障害年金受給を決定したいという気持ちが強くありました。

結果としては、受給が決定したので良かったのですが、もし結果が不支給のままだったらどうだったのだろうと考えてしまいます。

審査請求で、保険者が処分を変更した一番の理由は、やはり、添付した、お医者様のアンケート、保険者から依頼された担当医への文書のお医者様の回答でしょう。

私も認定基準の解釈から、認定基準の2級に該当するはずだと主張していますが、お医者様の意見がなければ、処分変更は難しかったと考えています。